新しいリリースで Mesh to MetaHuman(メッシュからMetaHumanを作成) などが Unreal Engine に追加されます

2022年6月9日
4 月の Unreal Engine 5 のリリースが話題になったことに続き、 MetaHuman の新しいリリースを発表できることをうれしく思います。このリリースはまだ早期アクセス版ですが、MetaHuman Creator (髪と衣服を備えたフォトリアルなデジタルヒューマンを数分で作成できるクラウドベースのアプリ) の新機能 だけでなく、Unreal Engine 5 で新しいキャラクターのリギング、アニメーション、および物理機能がサポートされる他、 Mesh to MetaHuman (メッシュからMetaHumanを作成)機能も新しく提供されます。

Mesh to MetaHuman(メッシュからMetaHumanを作成)

新しい Unreal Engine の MetaHuman プラグイン の最初の主要機能である Mesh to MetaHuman を使用すると、独自のカスタム フェイシャル メッシュを MetaHuman に変換し、完全なリグやアニメーションの準備が可能です。作成したキャラクターはさらに MetaHuman Creator で調整することが可能です。 

まずスキャン ツール、スカルプティング ツール、または従来のモデリング ツールでテクスチャ付きのメッシュを作成し、それを Mesh to MetaHuman で UE5 の自動ランドマーク トラッキングを用い MetaHuman トポロジ テンプレートに適合させます。その後、MetaHuman のオプションから選択したボディ タイプとそれを組み合わせます。次に、このテンプレートがクラウドに送信され、そこでデータベースから派生された最適な MetaHuman と照合されます。すると、このメッシュでフェイシャル リグが操作される一方で、元のメッシュとの差分デルタも一緒に付いてきます。
 
スタティック メッシュの MetaHuman への変換が完了すると、ダウンロードすることも MetaHuman Creator から開くこともできるようになります。MetaHuman Creator ではアニメーションを再生してリアルな動きをその場で確認することも、さらに調整や改善を行うことも可能です。 
 
髪や肌テクスチャといった要素は MetaHuman Creator やその他のツールで再作成あるいは再適用する必要がありますが、Mesh to MetaHuman を使用することで、ユニークなスタティックメッシュから完全にリギングされたデジタルヒューマンのベースを短時間で作成することが可能になります。作業が簡単になります!

以下の Unreal Engine 用の MetaHuman プラグインをダウンロードし、チュートリアルで、機能の詳細を見てみましょう。

UE5 の新しいキャラクター ツールとの互換性

Unreal Engine 5 には、アーティスト向けのオーサリングやリターゲティング ツールセットなど、多数の新しいキャラクターリギングおよびアニメーション機能が付属しています。このリリースでは、それらすべてを MetaHuman で使用できるようになりました。

MetaHuman は、「コントロールリグ」上にビルドされています。コントロールリグは Unreal Engine のビルトインされているリギング システムで、リグをすばやく簡単に作成したり、それらを複数キャラクター間で共有したりできます。UE5 では、コントロールリグが本番環境へ対応されるようになった他、さまざまな状況に合わせてコントロールを動的に再ペアレント化できる「空間の切り替え」などのさまざまな新機能も提供されています。
コントロールリグはシーケンサーと統合されています。シーケンサーでは、新しい「Poses ツール」を使用してキャラクターをアニメートしたり、ポーズを保存して適用したりできます。くわえて、Poses ツールには、MetaHuman Creator にも追加されたいくつかの新しいポーズが含まれています。これらポーズの詳細については後述します。
UE5 には、アニメーションをリターゲティングするためのまったく新しいアーティスト フレンドリーなツールセットもあります。MetaHuman には IK リグが付属していることから、これを最大限に活用できます。

IK リターゲター」を使用すると、すべての MetaHuman と他のキャラクターの間で、仮にそれらのボディ プロポーションが異なっていたとしてもアニメーションをすばやく簡単かつ堅牢に転送できます。また、MetaHuman は UE4 と UE5 の両方のマネキンと互換性がサポートされるようになったため、Unreal Engine マーケットプレイス にある何千もの既存のアニメーションにアクセスできるようになりました。たとえば、Lyra Starter Game のマネキンを MetaHuman に簡単に置き換えるといった作業が、マウスを数回クリックするだけで可能です。

もう 1 つの新機能である「IK リグ」を使用すると、スケルタル メッシュのポーズ編集を実行するソルバとゴールをインタラクティブに作成できます。一般的なユースケースとしては、MetaHuman が歩きながら特定のターゲットを常に見るようにしたりするなど、既存のアニメーションを維持しながらキャラクターを追加的に調整するといった場合が考えられます。

Chaos(ケイオス)が UE5 のデフォルトの物理エンジンになり、MetaHuman にはアクティブなラグドールの物理設定も追加されました。そのため、違和感のないポーズをターゲットにしたり、つまずいた時には頭を保護しようとする動作さえも行ったりします。また、MetaHuman サンプル プロジェクト に新しいレベルが追加されました。これらサンプル プロジェクトを使用すると、Unreal Engine プロジェクトでの新しい物理アセットの使用方法やアニメーションで「起き上がる」方法がわかります。
 
最後に、Quixel Bridge が Unreal Editor に統合されたことから、数回クリックするだけで UE5 プロジェクトに MetaHuman を追加できるようになりました。そのため、より短い時間でキャラクターを違和感なくリアルタイムにアニメートできるようになります。

MetaHuman Creator の新機能

MetaHuman Creator の新機能は、独自のカスタム MetaHuman を改良する場合でも、ゼロから新しいものを作成する場合でも役立ちます。

まず、新しいフェイシャル アニメーション ループが 10 個追加されました。これらを使用すると、作成したものに即座に命を吹き込むことができます。これらは、さまざまな表情でキャラクターの変形がどの程度うまく機能するかを、キャラクターをダウンロードすることなしに確認できるため便利です。
 
同様の意図で、高いハードルを飛び越えようとする最中のポーズからコンテンポラリー ダンスの動きを試しているポーズまで、キャラクターの能力を試せる 6 つの新しいボディ ポーズと 6 つの新しいフェイシャル ポーズが追加されたので、これらを利用してさまざまな感情を表現できます。

水玉模様、ストライプ、ペイズリーなどのファブリック パターン内の領域の色をカスタマイズする機能など、より多くの服装オプションを使用して、MetaHuman で作った群衆からキャラクターを目立たせることもできます。
 
また、キャラクターの髪の毛をより細かく制御して多様な外観を実現するために、あごひげ、口ひげ、眉毛、まつげといったスタイルと共に新しいヘアスタイルが 13 個、合計 23 個の新しいグルームが追加されました。また、オンブレ機能とハイライト機能、およびモホーク、フェイク モホーク、オールバック スタイルのさまざまな領域を個別に色付けする機能を使用することで、色をさらにカスタマイズできるようになりました。これらのオプションを組み合わせることで、MetaHuman でまったく新しい外観を実現できます。

Unrea Engine 用のライティング プリセットをさらに追加

数か月前、受賞歴のある撮影監督の Greig Fraser 氏によって設計された 6 つのライティング プリセットが Unreal Engine で使用できるようになりました 。それらは、The Matrix Awakens: An Unreal Engine 5 Experience 用に設計された 3 つのライティング プリセットに追加されます。また、UE5 との互換性を維持するため、元々あった 6 つのプリセットの更新も行いました。更新されたライティング パックはマーケットプレイスからダウンロード できます。
この最新の MetaHuman のリリースがお役に立てば幸いです。既存の MetaHuman Creator および UE5 ユーザーの場合は、  Unreal Engine 用の MetaHuman プラグインをダウンロードする だけで、準備は完了します。MetaHuman のエクスペリエンス全体をまだ試していない場合は、以下のリンクからサインアップしてください。

    独自の MetaHuman を作成する準備はできましたか?

    早期アクセス プログラムにサインアップする方法、およびドキュメント、チュートリアル、FAQ にアクセスする方法の詳細については、MetaHuman 製品ページを確認してください。 
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