Courtesy of Girraphic

放送とライブ イベントの制作のための専門的なサポート

2022年10月14日
印象的で革新的なリアルタイム プロジェクトを作成するために Unreal Engine に頼るスタジオが世界中で増加しています。そのため、そういったスタジオが必要とする技術的なサポートを得られることが重要になっています。そのサポートを提供するのが Unreal 認定サービス パートナー プログラムです。Unreal Engine の利用者に専門的なツールを提供し、仕事を進めるために必要な支援を行います。

Unreal 認定サービス パートナーとは、Unreal Engine のユーザーに、最高レベルの技術的サポート、実装サービス、共同開発サービスを提供する組織または個人です。
 

Unreal 認定サービス パートナーになる方法

プログラムの最初のフェーズにおいては、一定の基準を満たす企業または個人のみがプログラムに招待されます。プログラムの参加者は、自身が従事する業界の専門家であるだけでなく、問題を創造的に解決でき、ツールの開発者として優秀である必要があります。さらに、Unreal 認定サービス パートナーのポートフォリオには、Unreal Engine ベースで安定して高い品質を誇る成果が含まれている必要があります。プログラムへの招待を受けたパートナー候補者は、詳細な申し込み手続き、スキルの評価、技術的なインタビューを経て、参加が認められます。

現在は世界に 60 以上のパートナーがおり、複数の業界をカバーしています。このプログラムには、放送とライブ イベントの分野で信頼を得ているスタジオやエージェンシーがいくつか参加しています。ここでは、Unreal Engine を活用したワークフローで放送とライブ イベントの分野の先進的なプレイヤーをサポートしているサービス パートナーの一部を紹介します。
 

Silver Spoon

Silver Spoon は、リアルタイム アニメーションとバーチャル プロダクションを手がけるスタジオです。放送、テレビ、エンターテインメント、ライブ イベントの業界をリードしています。革新的な精神を共有し、現在のテクノロジーの限界を押し広げようと努力しているクライアントやパートナーと協力して仕事に取り組んでいます。
 
最近手がけたプロジェクトの 1 つは、マーチ マッドネスと呼ばれるカレッジ バスケットボールの大会を取り上げた CBS の番組向けに作成したアバター、「Team-moji」です。Silver Spoon のマネージング ディレクター兼パートナー、Dan Pack 氏は次のように述べています。「このリアルタイムの放送での拡張現実プロジェクトは、Unreal の機能を最もよく示すものとなりました」
2022 CBS Sports ‘March Madness’ ©2022 CBS/Viacom
「リアルタイムでトリガーできる『Team-moji』のキャラクターたちができ上がりました。これらのキャラクターは、マーチ マッドネスについての CBS の番組全体で、さまざまな寸劇、ダンス、滑稽なしぐさを披露しました。Unreal Engine を活用することで、高いカスタマイズ性を持つ AR のアバターをデザインできました。100 個ほどのアニメーション、数十種類の特殊効果を利用でき、チーム、色、スタジオでの位置、スケールを実行時に完全に制御できました。Unreal Engine のおかげで、かつてないほどの柔軟性と実行時のクリエイティブな制御を手に入れることができました」
 
Unreal 認定サービス パートナー プログラムへの参加について、Pack 氏は次のように述べています。「Unreal Engine は当社のパイプラインにあるほぼすべてのプロジェクトの基盤となっています。ですから、このパートナーシップを推進するのは自然な流れでした。また、この強力なツールについての調査と知識の強化に継続して取り組み、クライアントやパートナーのために最善を尽くせるようにしています」
 

All of it Now (AOIN)

ロサンゼルスに拠点を置くクリエイティブ エージェンシー、All of it Now (AOIN) は、ブランド、エージェンシー、エンターテイナー、イベントにデジタル コンテンツとイマーシブな体験型施設を提供しています。モーション デザイン、映画とテレビ番組の制作、IT にルーツを持つ AOIN は、Unreal Engine を使った多様なパイプラインに対応しています。環境のデザイン、プリビジュアライゼーション、バーチャル ロケーション ハンティング、AR と XR のコンサルティング、カスタムのユーティリティの作成、ポストプロダクションのワークフローのためのリアルタイム カメラ トラッキング データのキャプチャなどを行っています。AOIN のチームは、最近、ボリューメトリック キャプチャと DMX の連携にも手を広げました。
 
過去のプロジェクトには、フォートナイト内での Kaskade x Rocket League コンサート、アメリカズ・ゴット・タレントのシーズン 15、The Voice のシーズンのフィナーレでの Coldplay と BTS のパフォーマンス、Salesforce Dreamforce などがあります。最近のプロジェクトでは、音楽フェスティバル Coachella のライブストリームでの AR エクスペリエンスがあります。AOIN の共同創業者、Danny Firpo 氏は次のように述べています。「Unreal Engine は Coachella のプロジェクトの中心となり、プリプロダクションから最後の放送まで、全体を通じて使われました。制作のタイムラインが厳しかったため、複数のアーティストやエージェンシーとの協力が不可欠でした。ほかのプラットフォームではとても制作できなかったでしょう」
 
Courtesy of All OF IT NOW, LLC

AOIN が Unreal 認定サービス パートナー プログラムに参加することを決めたのは、Epic Games の専門アドバイザー チームがもたらす情報とガイドが優れていたためでした。Firpo 氏は次のように述べています。「パートナーとして、Epic のチームから直接プロジェクトの紹介を受けることもあります。これは事業開発の負担の軽減につながります。仕事を紹介してもらえれば、リードを追いかける時間を減らすことができ、プロジェクトに関する作業や研究開発に多くの時間を割けるようになります」
 
「サービス パートナー プログラムに参加すると、会話を通じて機能をリクエストしたり、バグを報告したりすることもできます。フィードバックを提供し、そのフィードバックが以降のリリースに反映されていることを確認することで、Unreal Engine を自分たちにとって、そして Unreal のコミュニティ全体にとってよりよいものにするために、わずかながら貢献できます。Unreal のコミュニティの一員となっていることを光栄に思っています」


Girraphic

Girraphic は放送と広告の分野を中心にデザインとブランディングを手がける、多面的なエージェンシーです。バーチャル プロダクションと拡張現実グラフィックスの統合を専門としています。また、ハードウェアのレンタル、コンサルティング、包括的な制作のサービスも提供しています。8 つの国にオフィスを構え、世界 30 か国以上のスタッフから成るチームを擁する Girraphic は、24 時間体制で操業できます。
Courtesy of Girraphic
最近では、Girraphic は 2022 年の Fox Sports の NFL Sunday Show のために複数のバーチャル プロダクション環境を作成しました。これは、AR、LED スクリーン、シーズンの開幕のためのコールド オープンのバーチャル プロダクションと組み合わせられました。放送業界でのほかの多くのプロジェクトと同様に、制作のワークフローは必要なテクノロジーと連携する必要がありました。Unreal Engine と放送の環境の橋渡しをする製品は多数あり、クライアント独自のパイプラインも関連することから、状況は複雑なものになる場合があります。たとえば、このプロジェクトでは、Fox Sports は Stypeland、Erizos、Megapixel VR を使用していました。
Nate Marsh, CEO and Emily Stone, US Director of Operations at Girraphic
Girraphic Group の CEO、Nate Marsh 氏は次のように述べています。「そこで私たちの出番です。何にも依存しない中立な立場から状況を判断し、クライアントを助けるためにあらゆるソリューションの可能性を探ります。利用する候補となっているソフトウェアやハードウェアをいくつも渡されることもよくあります。私たちは、パズルを解こうとしているクライアントのために最善を尽くしています。中立な立場からのアプローチにより、各製品の優れている点と劣っている点や、特定のワークフローでのほかのソリューションとの組み合わせに基づいて助言できます」
 
しばらく Unreal Engine を使ってきた Girraphic にとっては、Unreal 認定サービス パートナー プログラムに参加するのは当然のことでした。Marsh 氏は次のように述べています。「重要なのはコミュニティです。私たちは、サービス パートナーとしてクライアントに最高のサービスを届けるために、Epic のチームと協力しています。Epic のすばらしいチームと当社のクライアントの橋渡しをできるように、パートナーシップを確立しようとしています。放送業界向けのプラットフォームとツールを構築しようとする Epic 内部での継続的な取り組みに協力し、コミュニティによりよいサービスを提供できるようになることを楽しみにしています」
 

Creative Works

Creative Works は、エミー賞にノミネートされたことがある、ロンドンに拠点を置くクリエイティブ スタジオです。その専門分野は多岐にわたり、ブランドを中心としたナラティブ重視のコンテンツ、モーション パッケージ、スーパーグラフィック、番組のオープニング、短編アニメーション、リアルタイム ゲーム アセット、バーチャル セット、XR などがあります。クリエイティビティとテクノロジーのギャップを埋めて、放送とライブ イベントの分野でイマーシブなコンテンツを作成しています。

Creative Works は、高い期待を寄せられている We’re F’N’ Back! Tour 2021 を含む、ガンズ・アンド・ローゼズのいくつものライブ プロジェクトに参加してきました。Creative Works の共同創業者兼エグゼクティブ クリエイティブ ディレクター、Dan Potter 氏は、このプロジェクトで Unreal Engine が中心的な役割を果たした理由について次のように述べています。「Creative Works では、Unreal Engine を使うことにより、メディア サーバーである disguise および RenderStream プラグインとの連携、リアルタイム レンダリングの即時性、シーケンサーのノンリニア編集ツール、組み込みの統合ソース管理ツールを活用できました。それらを Perforce と合わせることで、ツアー ショーのコンテンツ制作に付き物の厳しいスケジュールのなかでアイデアをまとめることができました」
Courtesy of Creative Works London
共同創業者兼マネージング ディレクターの Jeremy Leeor 氏によると、Unreal Engine のリアルタイム機能を使ってさまざまな仕事を完了し、Unreal 認定サービス パートナー プログラムに参加する最適なタイミングが訪れました。「Epic は、先駆的、革新的な企業であり、コンテンツのクリエイター向けに次世代のツールを作成しています。Creative Works は、ライブ イベント向けのリアルタイム コンテンツ制作という新しい分野で、多くの経験を積んできました。両者の力を合わせ、情報や知識を共有することができれば、ライブ イベント環境で Unreal Engine を利用するコミュニティの発展に寄与できます」

    そのプログラムの内容と参加方法を紹介します。

    Unreal 認定サービス パートナー プログラムの詳細をご覧ください。

    Unreal Engine を毎日利用するスタジオが増加するなかで、Epic Games のパートナーは、リアルタイム プロジェクトのレベルを向上させるために必要な技術的サポートの提供に協力しています。