Unreal Engine 5 がリリースされました!

2022年4月5日
お待たせしました。Unreal Engine 5 がダウンロードできるようになりました! 

このリリースは、大規模チームでも小規模チームであっても、ビジュアル面でもインタラクティブ面においても可能性の限界に挑戦できるようにすることを目指しています。UE5 は次世代のリアルタイム 3D コンテンツや体験をこれまで以上に自由に、高忠実度で、柔軟に作成できる力をあなたに与えます。 

もうご覧になったかもしれませんが、新機能と新しいワークフローは、フォートナイトのゲーム開発The Matrix Awakens: An Unreal Engine 5 Experience デモですでに制作の実績があります。
 
その一方で、Lumen や Nanite など、主な新機能のいくつかは、ゲーム以外のワークフローではまだ検証されていません (今後のリリースでの継続目標です)。ただ、すべてのクリエイターは、UE 4.27 でサポートされているワークフローを使用し続けることができます。その場合でも、設計が一新された Unreal Editor、パフォーマンスの向上、アーティストが使いやすいアニメーション ツール、メッシュの作成/編集ツールセットの拡張、パストレーシング機能の向上など、多くの改良のメリットがもたらされます。詳細については、ドキュメントをご覧ください。

主な新機能

次世代のリアルタイム レンダリング

Unreal Engine 5 では、驚異的な高忠実度のディテールでリアルタイム ワールドをレンダリングするための、革新的な機能のコレクションが導入されています。

まずは Lumen です。直接ライティングやジオメトリの変化に対してオンザフライで間接ライティングが適合するリアルなシーンの作成を可能にする、完全に動的なグローバル イルミネーション ソリューションです。たとえば、1 日の時間経過に合わせて太陽の角度を変化させたり、懐中電灯を点灯させたり、屋外のドアを開いたりする変化に対応できます。Lumen を使用すれば、ライトマップ UV の作成、ライトマップのベイクの待ち時間、反射キャプチャの配置は不要になります。Unreal Editor 内でライトを作成および編集するだけで、ゲームやエクスペリエンスがターゲット プラットフォームで実行されている場合にプレイヤーが見ることになるのと同等の最終的なライティングを確認することができます。

それに引けをとらない UE5 の仮想化マイクロポリゴン ジオメトリ システムである Nanite を使用すれば、膨大なジオメトリック ディテールを備えたゲームやエクスペリエンスを制作できるようになります。ZBrush のスカルプトからフォトグラメトリスキャンまで、映画品質の数百万ポリゴンのソースアートを直接インポートしましょう。そして、インポートしたアセットを数百万個設置しても、見た目の忠実度を損なわずにリアルタイムのフレームレートを維持します。
Lumen および Nanite とうまく連携するように特別に設計されている仮想シャドウ マップ (VSM) により、適正で制御可能なパフォーマンス負荷で、もっともらしいソフト シャドウを実現できます。Nanite と VSM は知覚できるディテールのみを処理してスマートにストリーミングします。ポリゴン数やドローコール数の制限を大幅に取り除き、ディテールの法線マップへのベイクや LOD モデルの手動作成といった時間の掛かる仕事を削減します。あなたはクリエイティブな仕事にもっと集中できます。 

次世代のコンソールに対して、プレイヤーは次世代という期待を持ちます。プレイヤーは高解像度のディスプレイで 60fps 以上のフレーム レートを求めるので、レンダリング リソースには多大な負荷がかかります。Temporal Super Resolution (TSR) は、プラットフォームに依存しない高品質なビルトインのアップサンプリング システムです。これを使用することにより、エンジンは、従来よりもはるかに低解像度で、より高解像度でレンダリングされたフレームと同程度の出力ピクセル忠実度によりレンダリングできます。その結果として、パフォーマンスが向上します。
 

新しいオープン ワールド ツールセット

私たちが継続して目指しているゴールの一つは、オープンワールドの作成を高速に、簡単に、どのような規模のチームにとっても共同作業が行いやすいものにするということです。Unreal Engine 5 では、新しい World Partition システムによって、レベルの管理、ストリーミングが変わります。ワールドは自動的にグリッドに分割され、必要なセルがストリーミングされます。

One File Per Actor (1 アクタあたり 1 ファイル) システムによってチームメンバーはお互いに足を引っ張ることなく同一のワールドの同一の領域について同時に作業できるようになります。また Data Layers によって、一つのワールドについて複数のバリエーションを作成できます。例えば、同じ空間に存在するレイヤーとして、日中のバージョンや夜のバージョン、壊れる前と後のジオメトリを用意できます。

そして、内部で倍精度値を使用するLarge World Coordinates (LWC) の初期サポートにより、リベースや他のコツを必要とせずに、UE5 でものすごく広大なワールドを作成するための土台を築きました。
 

キャラクターおよびアニメーション用のビルトイン ツール

アニメーションの調整やイテレーションを行うために DCC パッケージと絶えず行き来するのは、時間がかかり、面倒であり、非効率的です。Unreal Engine 5 を使用すれば、コンテキストを確認しながらアニメートでき、既存のアニメーションを再利用でき、ランタイム時にゲームプレイの状況に合うようにアニメーションを適応させることができます。

アニメーション作成に関しては、アーティストの手に馴染むツールを備えた新しい強力なスイートがあり、Unreal Editor 内で直接作業できるようになりました。機能強化された実制作対応のコントロール リグを使用してリグを素早く簡単に作成して複数のキャラクター間で共有する、それをシーケンサーでアニメートして新しいポーズ ブラウザでポーズを保存および適用する、ブレンドしたキーを Tween ツールを使用して基準を上回るか下回って適用する、といったことができます。
時間は何より貴重であるため、すでにあるものを再制作することは避けたいものです。UE5 のまったく新しいリターゲティング ツールセットを使用して、既存のアニメーションを素早く簡単に再利用および拡張できます。IK リターゲッタを使用すれば、スケルトンとプロポーションが異なるキャラクター間でアニメーションを転送でき、たとえば人間のアニメーションを狼にリターゲティングすることもできます。そして、IK リグを使用すれば、キャラクターのアニメーションを加算的に調整できます。たとえば、動いているキャラクターが常にターゲットに目を向けるようにすることができます。

また、ゲームプレイ状況 (速度や地形の違いなど) を補うようにランタイム時にアニメーションを調整するために利用できる、いくつかの新機能もあります。リアルさと没入感が向上します。Motion Warping を使うことで、単一のアニメーションから様々なターゲットに合わせてキャラクターのルートモーションの位置を動的に調整できます。例えば、様々な高さの壁に対する飛び越えアニメーションを作成できます。そして、距離マッチングを使用してアニメーションの再生レートを制御でき、ポーズ ワープを使用してゲーム内キャラクターのモーションにうまく合致するようにポーズを動的に調整できます。 
 

エディタ内モデリング、UV 編集、ベイク

DCC パッケージとの行き来の時間を減らす必要があるのは、アニメーションだけではありません。UE5 では、メッシュ モデリング、UV 編集、ベイクのツールセットが大幅に拡張および強化されていて、それらを組み合わせることで、アーティストが Unreal Editor 内でアセットを開発および調整できる強力なワークフローが形成されます。これらのツールは、RealityCapture のようなフォトグラメトリ ツールを使用して生成されたメッシュや、Quixel Megascans をキットバッシングして生成されたメッシュなど、高密度のメッシュを扱う場合に特に便利です。 

メッシュの作成および編集用には多数の新規ツールと機能強化ツールがあり、抜本的な飛躍が実現したと言えます。コアであるモデリングスカルプト再メッシュと単純化の機能での複数の強化が行われています。今後のツール用のフレームワークを作り出すアーキテクチャの進歩が更新を支えています。乞うご期待! 

それと同様に重要なのは、UV 編集ツールのスイートを大幅にアップデートおよび拡張したことです。新しい UV エディタのパネルでは、2D 空間での UV のレイアウト/選択/トランスフォーム/カッティングとソーイング、UV チャンネルの表示/コピー/追加、自動アンラップ、チェッカーまたはカスタム テクスチャを使用した 3D でのプレビューがサポートされています。また、Project UV ツールと Auto UV ツールも改良されています。 

最後に、ベイクおよびメッシュ属性のツールセットが大幅に拡張されています。新しいベイク ツールでは、法線、AO、頂点のベイクが改良されていて、アップデートされたツールセットの重要な機能として、マルチサンプリング、テクスチャ フィルタリング、UV レイヤー、N 対 1 のベイクがあります。
 

エディタ UI とワークフローの強化

リニューアルの時間です!Unreal Engine 5 では、最新化された外観、効率化されたワークフロー、最適化された画面領域の使用が提供されているので、使うのがさらに簡単で、迅速で、楽しくなっています。

Quixel Bridge が完全に統合されているので、別途ダウンロード手順を踏むことなく、Megascans のライブラリ全体にドラッグアンドドロップで直接アクセスできるようになりました。コンテンツの取得やアクタの作成と配置を行うための単一の場所である新しい [Create (作成)] メニューに含まれています。簡単なドラッグアンドドロップのワークフローや直近に使用したアクタへのワンクリック アクセスにより、Megascans をはるかに素早く簡単にシーンに投入できるようになっています。
ツールとコンテンツをすぐ手の届く所に配置したままで、ビューポートの操作により多くのスペースを確保するために、ホットキーまたはボタンでコンテンツ ブラウザを簡単に呼び出して格納する機能、および折りたたみできるサイドバーに任意のエディタ タブをドッキングする機能を追加しました。

また、[Details (詳細)] パネルで探しているプロパティにより素早くアクセスできるように、頻繁に使用されるプロパティをパネルに保持するお気に入りシステムと、関連するプロパティのグループにワンクリックでアクセスするためのセクション バーの両方が備わっています。 

そして、新規プロジェクトを作成するためのワークフローが迅速かつ簡単になっています。統一された単一画面から作成が可能です。
 

完全にプロシージャルなオーディオ エンジン

UE5 はオーディオ制作の根本的に新しい方法を提供します。MetaSounds はサウンドソースからオーディオ DSP グラフでの生成とフルコントロールを提供する高パフォーマンスのシステムです。オーディオ レンダリングのすべての面の管理から、次世代プロシージャル オーディオ体験の駆動までを実現します。

MetaSounds は、サウンドにおけるプログラマブルなマテリアル パイプライン、レンダリングパイプラインにあたるようなものです。マテリアルエディタがシェーダーの制作を助けるように、オーディオでプロシージャルなコンテンツ制作が可能になります。動的なデータ駆動のアセット、ゲームのパラメータとサウンド再生のマッピング作成、大幅なワークフロー改善など様々な恩恵があります。
 

息をのむほど素晴らしい最終ピクセル イメージ

Unreal Engine 4.27 で導入されたパス トレーサーは、DXR で高速化された物理的に正確なプログレッシブ レンダリング モードであり、追加の設定は不要です。イメージ コンテンツまたはリニア コンテンツを作成する場合、Unreal Engine だけを使用してわずかな時間で、オフライン レンダラ品質のイメージを生成できます。 

Unreal Engine 5 のパス トレーサーでは安定性パフォーマンス機能の完全性が向上していて、ヘア プリミティブ目のシェーダー モデルのサポート、サンプリング、BRDF モデル、光のトランスポート、サポートされているジオメトリなどでの改良も行われています。

それだけではありません!

ここまでで示したのは、Unreal Engine 5 のハイライトのほんの一部にすぎません。新機能と機能強化のすべてを確認するには、リリース ノートをご覧ください。 
 
一部の機能はベータ機能で、実制作での使用には適していません。詳細についてはリリースノートをご確認ください。

UE5 のサンプル プロジェクト

Unreal Engine 5 のすべての新機能を探るのに役立つように、無料でダウンロードできる次の 2 つのサンプル プロジェクトを提供しています。

Lyra Starter Game

Lyra Starter Game は、新規ゲームを制作するための優れた開始点および実践的な学習リソースとして役立つように、UE5 の開発と並行して構築されたサンプル ゲームプレイ プロジェクトです。このプロジェクトは、最新のベスト プラクティスの実例を示すために、今後のリリースで継続的にアップグレードされる予定です。

City サンプル

City サンプルは無料のダウンロード可能なサンプルプロジェクトで The Matrix Awakens: An Unreal Engine 5 Experience の都市シーンがどのように制作されたかを明らかにします.このプロジェクトは、ビル、車両、MetaHuman キャラクターの群衆がある完全な都市から構成されていて、Unreal Engine 5 での新しいシステムおよび改良されたシステムをどのように使用してエクスペリエンスを生み出しているかの実例を示しています。完全なサンプルに加えて、そのコンテンツを個別のパックとして提供しているので、たとえば車両だけをダウンロードすることもできます。

その他の UE5 対応コンテンツ

その他の UE5 対応コンテンツについては、Unreal マーケットプレイスでご確認いただけます。昼夜を問わず、トップ クリエイター達が数百もの無料および有料の製品をリリースしています。ぜひチェックしてください!

    Unreal Engine 5.0 をダウンロードしましょう!

    既に Unreal Engine を使用しているユーザーは、 Epic Games Launcher から Unreal Engine 5.0 をダウンロードできます。今回はじめて使用するユーザーの場合は、以下のリンクをクリックして開始しましょう。皆さますべてが、新しい機能やアップグレードを楽しまれることを願っています。そして、フィードバックをお待ちしています!