2019年7月19日

『バーチャルプロダクション フィールドガイド』 ― 映像制作のための新たなリソース(日本語版を公開しました)

作成 Miles Perkins

バーチャルプロダクション ハブでは、バーチャルプロダクションにおける最新かつ最もクリエイティブな進歩について、随時情報をアップデートしています。Epic は、バーチャルプロダクション (VP) をすべての人々が使えるように日々努力していますが、今回その一環として、バーチャルプロダクション フィールドガイド(日本語版) を公開しました。これは、ダウンロード可能な PDF ファイルという形で、VP に興味がある人たち、および、これらの技術を制作ですでに利用している人たちに基本的な情報ドキュメントを提供するために作成されたものです。

バーチャルプロダクションという用語は幅広い意味をもちます。創造性を強化するとともに時間を節約するために作られ、コンピュータを利用したさまざまな映像制作のためのメソッドに対して使われる言葉です。リアルタイム ツールを使うことによって、従来型の線形のパイプラインは並行型プロセスへと移行することができます。そこでは、プリプロダクション、プロダクション、ポストプロダクションの境界があいまいになり、パイプライン全体がより流動的で協同的なものになります。
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バーチャルプロダクションのワークフローは、より速く、より創造的になるとともに、より多くのイテレーションが可能になり、より連携がとりやすくなります。そして、そのことによって、プロダクション プロセスの格段に早い段階で最終的なショットとシーンをより正確に把握できるようにもなります。バーチャルセットがあらかじめ作成されていると、ディレクターや 各部署の責任者は VR における場所を選定し、ショットを研究し、正確なカメラアングルと動きの計画を立てることができるようになります。グリーン スクリーンではなく LED の壁を使うことによって、カメラ内エフェクトが可能になります。その場合、セットはリアルタイムで変更でき、同時に、現実世界におけるより正確なライティングを供給することが可能になり、最終的には情報をともなったパフォーマンスに結実します。これらは、映像制作者がリアルタイム テクノロジーを使う時のほんの数例にすぎません。

バーチャルプロダクション フィールドガイド では、このようなものを始めとする多数のテクニックが探求されています。これを読んでいただくと、VP の機能に関する基本的な理解が得られるとともに、すでに VP を利用しているプロジェクトの詳細な情報が明らかになります。さらには、現代の映像制作では時として見過ごされる創造的自発性の要素を最新のワークフローではどのように導入しているのかということについても理解を深めることができます。
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このガイドで明らかになることは他にもあります。映像制作の各部門では、どのように VP のワークフローを利用できるのか、そして、従来の方法論に馴染みのある人たちがどのようにして自分の知識をこの新しくクリエイティブなサンドボックスへと送り込むのか、ということについてもその概要が示されています。最後になりますが、ガイドでは多数の映像の専門家に対してインタビューを試みています。それらの人たちがどのようにバーチャルプロダクションのワークフローを利用したのかが明らかになります。インタビューには、映画監督/俳優である Sir Kenneth Branagh 氏、オスカー受賞経歴のあるビジュアルエフェクト スーパーバイザーの Ben Grossman 氏、撮影監督の Bill Pope 氏 (ASC) 他が登場します。
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バーチャルプロダクション フィールドガイド(日本語版) は、無料でダウンロードできます。ぜひ入手して、ご自分のプロジェクトのために創造的なインスピレーションを得てください。また、バーチャルプロダクション ハブでは、詳細なケーススタディやポッドキャスト、さまざまな考察が展開されています。