11 人体制の小規模スタジオ「Neon Giant」による次世代パッション プロジェクト『The Ascent』の完成が間近に

コンテンツ プロデューサー Jimmy Thang |
2020年11月25日
2018 年に Arcade Berg 氏と Tor Frick 氏により設立された Neon Giant は、『Gears of War』、『Bulletstorm』、『Wolfenstein』、『Doom』、『Far Cry』など、世界トップ クラスのアクション ゲーム シリーズの開発に携わった 11 名の経験豊富なゲーム業界のベテランたちで構成された小規模なゲーム スタジオです。 Neon Giant では、トップ クラスの最新テクノロジーやツールをフル活用し、最大のメリットを得るために少人数体制を取っています。Neon Giant は、今までになかった体制のスタジオを立ち上げ、AAA ゲーム開発の経験と実績を活かし、効率良い作業環境を通じて、それぞれの開発者がクリエイティビティを最大限に高め、ビデオ ゲーム開発の限界を押し上げることを目標として掲げています。
Microsoft の次世代 Xbox Series X コンソールなど、次世代ゲーミング プラットフォーム向けの『The Ascent』は、サイバーパンク ワールドで多大な期待を集めるアクション RPG です。 スウェーデン、ウプサラに拠点を置く Neon Giant により開発中の同ゲームは、早期段階においてその有望性が見出され、Unreal Dev Grant を獲得しました。 『The Ascent』は同スタジオの初めてのタイトル作品ですが、『Wolfenstein』、『DOOM』、『Bulletstorm』、『Gears of War』などの各シリーズの開発に携わったゲーム業界のベテランたちの指揮のもと開発されました。  
 
来年リリース予定の『The Ascent』で実現する現実味溢れるワールドの開発を通じ、この開発チームの経験と知識もさらに高まりました。 Neon Giant では、世界中をメイン キャラクターのように感じさせることを同社のミッションとしています。 これを実現するために、同社では Unreal Engine のさまざまな実験段階機能を活用し、トップ クラスの VFX およびライティングと併せてレイ トレーシングを実装しています。 その上、ゲームの大部分ではブループリントが使用されています。 当社では『The Ascent』の開発に関するインサイトを明らかにすべく、Neon Giant 共同設立者・クリエイティブ ディレクターの Arcade Berg 氏、同じく同社共同設立者・クリエイティブ ディレクターの Tor Frick 氏、そして Houdini アーティストの Magnus Larsson 氏にインタビュー形式でお話を伺いました。
画像提供:Neon Giant
The Ascent』に影響を及ぼしたゲームはありますか?

共同設立者・クリエイティブ ディレクター Arcade Berg 氏: ゲーミング業界全般にわたり、さまざまなゲームを確認するようにしていました。また、以前に携わったタイトル作品から得た経験や知識もあります。 さまざまな FPS (ファースト パーソン シューティング) と当スタジオ制作のサード パーソン ゲームでは、ほとんどの場合はカメラの視点が異なりますが、その違いから有益な情報を見出し、派手なアクションと併せて戦闘シーンを十分に満足にいくものに仕上げています。
 
The Ascent』に似たゲームは存在しないため、本ゲームを詳しく説明することは容易ではありません。 ですので、「これは X に似たゲーム」などと表現することはできません。チーム内のコミュニケーションにおいても、特定のものと比較したりできなかったため苦労しました。
 
The Ascent』では、ゴージャスでダイナミックなバックドロップや、精巧なグラフィティ アートが施されたストリートを含む非常に詳細な環境により、生活感溢れるワールドが実現されています。開発チームはこれをどのように実現したのでしょうか?
 
共同設立者・クリエイティブ ディレクター Tor Frick 氏: 私たちは当初から、このゲームには大量のコンテンツが必要になること、そしてそれを制作するためのスタッフの数は最小限であることがわかっていました。 これを念頭に、コンセプト デザインやアセットのモデル化からマスターシェーダの多用まで、コンテンツ パイプラインの全段階でさまざまな検討と試行を繰り返してきました。 また、当スタジオでは Houdini Engine を採用した強力な一連のツールを開発し、開発チームが Unreal 環境内でカスタマイズされたコンテンツを瞬時に作成できるようにしました。
 
これは、一連の広範な環境ブループリントも併せて活用することで、開発チームは作業を毎回最初からのやり直すことなく、ワールド内の各エリアを瞬時に作成、設定、装飾できることを意味しています。 生活感を十分に醸し出すために、すべてのディテールをビルドするための時間を確保する上で、スピードがカギでした。 また、ビジュアル要素のイテレーションを迅速に行う上では、柔軟性の高いマスター マテリアルと、マテリアル インスタンスの多用がカギとなりました。
画像提供:Neon Giant
このゲームには、レーザーや爆発、煙などを引き立てる素晴らしい VFX が施されていますが、 開発チームでは、これらのエフェクトの開発にNiagaraを利用しましたか?
 
Houdini アーティスト Magnus Larsson 氏:
私たちはエフェクトの一部に Niagara を使用しました。 Niagara を使用することで、以前にカスケードでは実現できなかったエフェクトを作成できるようになりました。 パーティクルが属性を含む点となったことで、パーティクルの位置を「Particles.Position」ではない属性にバインドし、シミュレートされた位置にノイズをレイヤー化するなど、さまざまな興味深いものを作成できるようになりました。
 
必要な演算を実行する上で、このように属性に直接アクセスできることは大きな強みとなります。 私たちがすぐに行ったことの一つは、さまざまな試みで使用するために、カール ノイズをフォースではなく属性として生成するモジュールをビルドしたことでした。
 
頻繁に使用されながらもほとんど注目されない機能として、独自の式をパラメータに記述できるようになったことが挙げられます。メジャーな機能ではありませんが、さまざまなエフェクトで役立ちます。 それらの多くは、パーティクルの初期ライフタイム中に特定のものに対する評価をオフにする「Particles.Age < 0.1 ? 0 : 1」など、非常にシンプルな式です  
The Ascent』にはボケ エフェクトやレンズ フレア、ブルーム、反射といった優れたライティングが施されていますが、 これらのライティングをどのようにゲームに取り入れたか教えてください。
 
Frick 氏: ベイクされたライティングと動的ライティングを組み合わせて使っています。 ゲーム内ではさまざまなネオン サイン、マシン、エミッシブ サーフェスが大量に使用されており、さらに膨大な量の潜在的な光源が全体にわたって存在しています。私たちはこの利点をできる限り活用しようと考えています。 ボリュメトリック ライティングもかなり使用していますが、パフォーマンス上の懸念により、ライトをベイク ダウンしながらもそのボリュメトリック要素を維持できる、「組み合わせ」のアプローチを採用しました。 これにより、アート的なビジョンをほとんど犠牲にすることなく、最適化時の柔軟性をさらに高めることができます。 
 
また、これはアーティスト向け設定の簡易性と、ビルトイン プラットフォームのスケーラビリティの両方の面で、ブループリントが役立つ領域でもあります。 動的ライティングを使っているため、アニメ化されたビルボードや TV などを使って、それをできるだけアピールしようとしています。 あらゆる状況に迅速に適合可能なブループリント ライブラリを構築することで、スタティックなものを極力抑えたワールドを実現できます。 このようにできたらなら、誇りに思ってください! 私たちはそれほど繊細ではありません。 
 
カメラ アングルについては、FPS でうまく機能した点がこのカメラ アングルで必ずしも同じように機能するわけではないことがあり、課題が残ったため、反射とライトを扱う作業については大幅な見直しが必要でした。 その結果、柔軟性に焦点を当てて、以前よりもプローブ対スクリーン空間の反射に依存することになりました。
画像提供:Neon Giant
The Ascent』にはレイ トレーシングを取り入れましたか?
 
Frick 氏: レイ トレーシングについては、当スタジオで現在も積極的に作業を進めています。 レイ トレーシングされた反射、シャドウ、アンビエント オクルージョンをサポートする予定です。 アニメ化されたサイネージやライティング、雨、湿ったサーフェスなど、反射効果をアピールしたい要素が多数あるため、特に反射については『The Ascent』とその環境に非常に適していると考えます。 
 
The Ascent』には優れた物理および環境破壊性が取り入れられていますが、 これをどのように実現したのでしょうか?
 
Frick 氏: これは、ワークフローとツールにより、以前に手動で行っていたときよりも、さらに多くの作業を行えるようになった領域の一つです。 私たちは、状況に応じてリアルタイムとシミュレートされた物理の両方を使用しています。 Houdini ではコンテンツ生成における困難な作業のほとんどを行うことができ、当スタジオではそのための最先端ソリューション (大部分は作成、インポート、設定の各段階における自動化) を備えています。 私たちは、ボトルが割れるシーンから、スカイスクレイパーの間を飛行する船など、さまざまなものを破壊することが大好きなのです。 
 
また、私たちは Significance システムを使って、可能な限り多くのものをこのシステムに接続することも試みました。物理はそのような領域の一つです。 よく最適化されたブループリントと組み合わせることで、かなりの量の物理を制御し、適用できることを意味しています。  
 
The Ascent』は基本的に超巨大建築物の内部にある独立した都市が舞台となっていますが、この設定をゲームに取り入れた理由は何ですか?
 
Berg 氏: 私たちは皆、デベロッパーそしてゲーマーとして現実味溢れるワールドを求めるとともに、当スタジオのような少人数のチームで管理可能なものを舞台にストーリーを展開させることを望んでいました。 妥協して大規模なゲームを制作することは誰も望んでおらず、 代わりに、細部にまでこだわった品質優先の考えを採用することにしました。 この考えの下、このゲームの舞台を、私たちが求めるサイズにスケーリング可能で、好みのストーリーやロケーションをサポートできるワールドに設定することがとても理に適っていたのです。
 
このため、このゲーム ワールドのあらゆる部分を興味深いものにすることもできました。 この作業にはかなりの時間と労力を費やしましたが、ワールド自体もそのキャラクターやストーリー、そしてゲームプレイと同じくらいに興味深いものにすることが非常に重要であると私たちは考えます。
 
このゲームは、次のレベルに進み続けるのではなく、行ったことのあるエリアに戻り、そこにあるさまざまなオブジェクトについて知識を深めるようデザインされています。 このデザインも、ゲームの各要素を細かく表現し、エキサイティングなものにしたいという私たちの情熱の一助となっています。
画像提供:Neon Giant
The Ascent』には独創的なエイリアンが多く登場しますが、 このようなキャラクターや敵キャラクターのデザインについては、どのようなアプローチを取りましたか?
 
Berg 氏: 私たちは、自分たちの求めるゲームプレイを作り出し、それをゲームのストーリーとマッチさせることを常に目標としています。 これを念頭に、ゲームには多種多様な生理機能を持つ、さまざまなサイズの生物を登場させています。 例えば、ゲームプレイの面では、プレイヤーは高い場所と低い場所に狙いを定めることができるため、一部の生物については非常に小さなものとして設定する必要がありました。
 
ゲームに登場するすべての生物種には、身体的な面だけでなく、個性や社交性の面でも明らかな特徴を持たせました。 また、彼ら・彼女らの文化的な背景、そして宇宙における地位についても詳しく設定しています。 ストーリーのキャラクターを作成する際はこうした背景や設定を基礎とし、ときには、キャラクターを作り出した後に「Larkian に似ている」などということを発見して後付けするなど、設定の順序が逆になることもありました。
 
敵キャラクターについては、従来どおりの各種デザイン手法を使い、戦闘における敵の役割を視野に入れて、シナジー効果を狙った笑いの要素も多少取り入れました。 「ハッカー エネミー」自体はサポート タイプであるため、大きな脅威ではありませんが、これがグループに存在する場合、プレイヤーは戦闘に対するアプローチを大幅に変更しなければなりません。 ハッカー エネミーはドローンを使って他の敵を守り、敵対的なソフトウェアを使ってプレイヤーを弱体化 (デバフ) させます。
 
重要な点として、敵キャラクターとして「予約」されている特定の生物種はありません。 彼ら・彼女らはすべて人類です。 ですので、例えば「Jachalans」には、周辺を歩き回る市民であり、店主であり、さらには敵のハッカーでもあるなど、さまざまな側面があります。
 
The Ascent』には、ショットガン、アサルト ライフル、レーザー ビーム、手榴弾などのさまざまな武器が登場しますが、これらの武器のデザインについては、どのようなアプローチを取りましたか? 
 
Berg 氏: それぞれのプレイヤーにはそれぞれのスタイルや好みがあるため、私たちはさまざまな武器を幅広く提供することでこれに対処しました。アサルト ライフルやショットガンなど、誰もが期待する武器だけでなく、前述のビーム キャノンやまだ未公開のものなど、新しいタイプの武器も用意しています。 また、楽しめる要素の一つとして、複数のタイプの「サイバーデック (Cyberdeck)」を用意しました。プレイヤーは、これらを使って環境内のさまざまなタイプのオブジェクトをハッキングすることができます。さらに、手榴弾やドローンなど、一連のさまざまなツールを提供する「タクティカル (Tactical)」もあります。 
 
私たちは、それぞれのプレイヤーが好みのスタイルでゲームをプレイできるよう常に努力を重ねています。 より戦術的で冷静なアプローチを重視するプレイヤーもいれば、任務を忠実に実行するタイプのプレイヤーもいます。 遠戦を得意とするプレイヤーもいれば、白兵戦が得意なプレイヤーもいます。 私たちは、どのようなスタイルであってもゲームに取り入れていきたいと考えています。 
 
この質問に関して最後になりますが、私たちは特殊機能を備えたサイバネティックの拡大を常に意識していなければなりません。 これらすべての機能セットはプレイヤーにさまざまなオプションや機会をもたらすものであり、これらを独自に組み合わせて、チーム内で互いの機能や能力について話し合ったりすることができます。
画像提供:Neon Giant
開発チームの規模はどれくらいですか?どれくらいの開発期間がかかっていますか?
 
Berg 氏: Neon Giant は現在 11 名体制で、2018 年春の設立と同時に、スタジオについての発表を行いました。その時点で 2、3 名のスタッフで開発を開始しましたが、時間とともに人数も増え、現在の体制に至りました。その間、スタジオの建設や手続きやなどもありました。 T シャツにロゴをプリントするよりも大変でしたね。
 
Unreal Dev Grant を獲得したコンテンツは、さまざまなパブリッシャーとのエンゲージに使用したデモ/プロトタイプと同じものであり、この開発には 2、3 か月かかりました。 私たちが目指している作品を紹介するにあたり、基礎的な部分を示すデモをすぐに用意しました。 現在のゲームの姿とはかなり異なりますが、今でもときどきそのビルドを起動して、多忙を極めた開発初期の頃を懐かしく思っています。  
The Ascent』は Neon Giant の初タイトル作品となりますが、新しいスタジオの建設から現時点で学んだ点は何かありますか?
 
Berg 氏: さて、何から始めればいいでしょうか。 当然、私たちはそれが膨大な手間がかかることであるのはわかっていました。 当時、私たちはダニング・クルーガー曲線における、いわゆる「啓蒙の坂 (Slope of Enlightenment)」にあったと思います。 どのような作業になるのか確証はありませんでした。 今までに多くのことを学びましたが、今でも学習を続けています。
 
ゲーム開発以外では、ビジネス計画の作成、人材募集、投資家とパブリッシャーに向けての売り込み、オフィスの引っ越し、マーケティング プランの実施などさまざまな仕事があります。 私たちは、試行錯誤しながらも実行することで学習しています。 とは言え、私たちの専門外の事柄に関しては、経験豊富な信頼のおけるアドバイザーや専門家がいたことについて、私たちは幸運であったと思います。 ここ数年で、私が今後の人生で経験するよりもはるかに多くのディール、契約、契約文書を目にしました。  
私たちは、開発初日からスケーラビリティ重視のゲーム コンセプトを意図的にデザインしました。時間の経過とともに新たなゲーム機能を追加し、無理に押し込むのではなく、うまく適合させるためのコンセプトです。当時は、完全なチームを編成するまでにどれくらいの時間がかかるかや、チーム メンバーはどのような人々になるのかについてまったくわからなかったため、柔軟性の高いこのような計画にせざるを得なかったのです。 今思えば、これは私たちが下した最善の判断の一つだったと言えます。私たちが雇用した一人一人が、開発中のゲームの方向性に大きな影響を与えたからです。 簡単な例を挙げると、開発チームにアニメーターが加わったことにより、ゲーム内でオブジェクトを動かせるようになりました。 素晴らしいことです!
 
私たちが経験を通じて学んだことの一つに、デベロッパーによる開発作業を支援するもの、もしくは人々の暮らしを楽にするものがあれば、コストがかかろうともそれを実現する価値があるであろうという点です。 コストが理由で先延ばしにしていた多くの事柄がありましたが、これらに対する判断を下して実施すると、いつも「もっと早くやっておけば良かった」という念に駆られたものです。 
 
私たちはより広いオフィスに引っ越しましたが、これも先延ばししていた事案の一つでした。理由はもちろんコストで、当然ながら広いオフィスはそれなりに高価であったためです。 これも「もっと早くやっておけば良かった」事案の一つです。 引っ越しに際して IT インフラにも投資を行い、プロによるインフラ整備を依頼しました。 新しい IT インフラは初日から十分に機能し、特に昨今のパンデミックとそれに伴うリモート ワークに際しては、「プロジェクトの救世主」とも言える活躍を見せました。 また、当スタジオではオフィス全般を取り仕切り、すべての備品を管理する担当スタッフを雇用しました。当然コストはかかりますが、このスタッフが加わったことで、開発に関わるすべてのメンバーが本来の業務に集中できるようになりました。 チーム メンバーがすべて経験豊かなシニア スタッフなら、プロデューサーを新たに雇用する必要はないと考えるかもしれませんが、 それは誤りです。 レーザーのように鋭い集中力が求められる作業には、それを支援する役割やスタッフが必要なのです。
 
今まで、ある程度の痛みとさまざまな難題を経験してきましたが、私はこの優秀なチームと一緒に仕事できることを嬉しく、そして誇りに思っています。 私たちのゲームは開発段階でもポジティブなフィードバックを得ており、今後のリリースに向けて期待が高まっています。
画像提供:Neon Giant
なぜ Unreal Engine がこのゲームに適していると思われましたか?

Berg 氏: Tor と私は以前にも Unreal Engine を採用したタイトル作品をいくつかリリースしており、同テクノロジーの使用についても 10 年もの経験があるため、私たちにとって Unreal Engine を本ゲームに採用することは自然な流れでした。 立ち上げや実行に時間や手間がかからず、プレイ可能なものを短期間で作成することができます。もしかすると、チームにプログラマーがいなかったとしても、Unreal Engine ならこれくらいは問題ないのかもしれません。
 
しかし、何よりも Neon Giant に所属するすべてのスタッフは技術的な専門知識と経験を持っており、多くの人々が関わる一連のステップを必要とせずに、コンテンツを作成してゲーム内に取りこむことができます。 ブループリントは非常に強力であるため、ブループリントとコードのバランスをうまく取ることが大切です。 アーティストは大規模な環境を大まかに作成し、スクリプト担当者のサポートなしにさまざまな「やり取り可能な」オブジェクトを作成できます。
 
また、私たちは、従来は手作業で行っていた多くの作業を合理化することのできる「Blutitilies」についてもリサーチを続けています。
 
Neon Giant では、トップ クラスのグラフィック忠実度を誇る高品質のゲームを世界中のユーザーにお届けすることを常に目標としています。 これに関して、Unreal テクノロジーを使って実現できることは非常に独特なものであり、他と比較することはできません。また、Epic のサポート サービスは充実しているため、必要なときには迅速にサポートしてもらえるという安心感もあります。 
 
本記事の最初のほうで、Neon Giant では Unreal の実験段階の機能をよく使っているということを紹介しましたが、 『The Ascent』の開発において、特に頻繁に使用した機能はありましたか?
 
Frick 氏: 全般的に、私たちは興味を持ったことは何でもすぐに知りたいと考えているので、すべての新機能については、興味本位ですがすぐにテストを行います。 Niagara と Houdini Engine の両方の機能に関しては、私たちはかなり早期から両方に適合させるべく、多くの時間をその作業に費やしました。その結果、これらのツールの成熟度が高まるにつれて、多大なメリットを得ることができています。 
 
私たちは小規模のデベロッパーではありますが、開発手法とその結果の両方に強みをもたらすものについては、かなり積極的に探求しているほうだと思います。 すべてのものを準備できなかったとしても、そのような手法やメリット、さらには導入方法やワークフローを置き換える方法を事前に把握できることで、チーム全体の知識が高まり、質の向上にも寄与します。
画像提供:Neon Giant
Unreal Dev Grant を獲得したことは、Neon Giant にとってどのような意味がありますか?
 
Frick 氏: 嬉しかったことは当然ですが、恐縮もしました。 私たちが成し遂げたことに対して評価を頂き、嬉しいことはもちろんですが、このグラントを頂いたことは、まだ誕生したばかりの当スタジオにとって大きな一歩と言えるものでした。 さらに、グラントを獲得したことがきっかけで、後に私たちのパブリッシャーとなった Curve Digital とのつながりが生まれたことにも大変感謝しています。
 
The Ascent』は Xbox Series X 向けにリリースされますが、次世代コンソールのユーザーはどのような改善点を期待できますか?
 
Frick 氏: 最も大きな違いは画質とフレームレートです。 本ゲームは 60 PFS、4K 解像度で実行され、以前の世代と比べ、全体的により高い設定となっています。よりスムーズで鮮明になり、応答性もより高くなっています。 また、驚くかもしれませんが、ゲームのロードには文字どおり「数秒」しかかかりません。
画像提供:Neon Giant
Unreal Engine を使って Xbox Series X 向けゲームの開発を目指すデベロッパーの方々に何かアドバイスはありますか?
 
Frick 氏: パフォーマンスの面で、ゲームを Xbox Series X で実行させることはそれほど難しくありませんでした。 私たちが初めて試した際も、ほぼ予期どおりに実行できました。 CPU で利用可能な追加のパワー量は素晴らしく、変更があっても問題にはなりませんでした。 これを活用するための方法を見出すことが重要であることを、デベロッパーの皆さんにはお伝えしたいと思います (私たちもさらに活用したいと思っています)。
 
次世代コンソールに関して、Neon Giant の皆さんが最もエキサイティングに感じていることは何ですか?
 
Frick 氏: 私たちは、インタラクティブなワールドを作り出すことに情熱を注いでいるため、これを促進する新しいテクノロジーやイノベーションについて常に関心を持っています。 大幅に改善されたストリーミング機能により、頭痛の種を取り除き、さまざまな問題を解決できるだけでなく、CPU の性能も併せて、より高密度で複雑なワールドをライブで実現できます。 Unreal Engine 5 への移行も、将来を見据えたエキサイティングな一歩と言えるでしょう。完全に動的なライティング環境に移行し、Chaos と組み合わせることで、さらなる機会が開けます。
 
貴重なお話をありがとうございました。 『The Ascent』の詳細について参照できる資料はありますか?
 
Berg 氏: ご興味のある方は、ぜひ『The Ascent』のツイッター アカウント @AscentTheGame と当スタジオ @NeonGiantGames をフォローしてください。

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