『The Medium』は、感じ方の二重性を検証する次世代型心理ホラーゲームです。このゲームは 2012年に初めてアナウンスされましたが、デベロッパーの Bloober Team が追求しているゲーム経験を実現できるテクノロジーは、今年になってようやく使える目処がついたのです。
このゲームは、Xbox Series X のタイトルとして今年 5月に再度アナウンスされました。リリースは今年後半の予定です。プレイヤーは、Marianne という、霊界に移行できる霊能者になります。このサードパーソン ゲームでは、その霊界への移行能力を使って、Marianne が難問を解けるようになります。そして、この能力は、ゲームの強力な映像に寄与しているのです。
私たちは Bloober Team のリード ゲーム デザイナーを務める Wojciech Piejko 氏にインタビューを行いました。テーマは、スタジオの 10年に及ぶゲーム開発の歴史について、さらに、どのようなインスピレーションを得てこのような新たな経験を制作するようになったのか、さらに、次世代テクノロジーと Unreal Engine がいかにしてコンセプトをデジタル的なリアリティに昇華させたのかです。
Bloober Team の活動はおよそ 10 年に及びますが、ホラーゲームを制作するようになったのは、5 年前からですね。開発の中心をホラーゲームにシフトするようになったのは、どのようなことからでしょうか?
Wojciech Piejko 氏 (Bloober Team のリード ゲーム デザイナー): もう覚えていない人もいるでしょうけど、私たちは PS4 でひどいゲームを作ったことがありました。『Basement Craw』というゲームでした。そこで、私たちは、その誤りを修正して、このゲームを購入した全プレイヤーに修正版ゲーム『BRAWL』を配布しました。これがターニングポイントとなりました。チームで何をすべきか、努力の対象を何に変えるべきか、考えるようになったのです。私たちは、一緒にやってみたいことに注力すべきだという決断を下しました。ゲームを作るだけでは満足できず、感情を刺激し、物語を語りたかったのです。ホラーはその願いにぴったりだと意見の一致をみました。
私たちは、ホラー映画に目がありません。ゲームだけではなく、ホラー映画おたくなのです。私たちはオリジナルのホラーを作ろうとしました。そして、そうすることによって、自信がもてました。私たちの最初の心理ホラーゲームは、『Layers of Fear』です。このゲームでは今日現在で 500 万人がプレイしています。そのおかげで、私たちのチームは、著名で経験のあるチームとして目されるようになりました。
Bloober Team の最新の 4 作品は、どれも、特定のテーマまたはホラーのスタイルがもたされていますね。『Layers of Fear』では、犠牲がテーマです。『Observer』は、ボディーホラー。そして『Blair Witch』は、PTSD です。では、『The Medium』で中心となっているテーマは何でしょうか?
Piejko 氏: Bloober Team では、心理ホラー ゲームを専門に制作していますが、人々を震え上がらせているだけではありません。特定の主題に取り組んでいるのです。『The Medium』は、「視点によって感じ方はどのように変化するか」です。