Image courtesy of Pagani

デジタルショールームが Pagani のハイパーカーコンフィグレーション体験を強化

Stefan Wenz |
2020年11月11日
イタリアのハイパーカーメーカーである Pagani から車を購入することは、洗練されたオーダーメードのスーツを注文することに似ています。それは、顧客の要望を完全に理解することが求められる一対一の体験です。そして、顧客の要望に基づいてカスタマイズし、真に特別なものを制作する機能を中心に展開します。

毎年、非常に限定された数量の パガーニ が非常に限定された顧客向けに生産されています。 一台一台が精巧な芸術作品のように、パガーニ には二台として同じものはありません。

ハイパーカーのカスタマイズは、顧客の好みを細部に至るまで表現できる唯一無二の旅となります。
 

そこでMHPの出番です。コンサルティングにおいて最高クラスの Unreal Engine を搭載したディーラー コンフィギュレータを使用することで、Pagani の顧客は、豊富なカラーパレット、さまざまな仕上げ、素材など、さまざまなオプションやカスタム機能を駆使して、好みのレイアウトをリアルタイムで視覚化し、これまでにないレベルのディテールを実現することが可能になりました。

また、リアルタイム コンフィギュレータによって、Pagani の顧客は、海岸道路を走ったり、スタジオや美術館に展示するなど、さまざまな環境や状況で設定された将来のハイパーカーを垣間見ることができ、想定されるすべての光の反射効果を体験することができます。各環境はボタンをクリックするだけで切り替えることができます。

Google Cloud 上の NVIDIA RTX を活用したデジタルショールームでは、Pixel Streaming を介してモバイルや接続デバイスにストリーミングできるインタラクティブなライブ3D体験を提供しています。

ショールーム以外にも、MHPは Unreal Engine を活用して、Pagani の顧客が車の生産を待つ間に楽しめるカスタムメイドのデジタル・コンテンツを制作しています。Pagani のコンフィギュレータで使用されているのと同じ 3Dモデルをこのコンテンツに再利用することで、時間とコストを節約することができます。
Image courtesy of Pagani

トップクラスのリアルタイム コンフィギュレータ

MHP は Porsche が所有する国際的な経営・ITコンサルタント会社です。主に自動車業界に焦点を当て、新しい技術やプロセスの導入を検討している自動車会社に戦略的、そして運用上のサポートとシステム導入を提供しています。

この多面的なビジネスの一環として、クライアントの体験に焦点を当て、MHP のクライアントが一流のサービスを提供し、販売店の販売プロセスをサポートするデジタルショールームの開発を行っています。

Pagani のような最高級ブランドは、顧客が選択できるように、無数のカスタム機能とともに、ボディワークの色や仕上げのバリエーションを無限に提供しています。これにはストライプやホイールの色違い、様々なレザーやステッチの色違いなどのプレミアム インテリア オプションなどが含まれ、真に個性的なものをつくることができます。つまり、複雑なオーダーメイド製品です。
Pagani の販売店では、MHPが開発したコンフィギュレータを使用して、顧客の車両をカスタムデザインし、フォトリアリスティックなディーテルで即座に視覚化することができます。

販売資料は、単なる静止画だけではなく、飛行場や山道を走るカスタマイズされたカーレースの映像を作成し、セッション後には持ち帰ることも可能です。顧客はまた、選択した仕上げとオプションをすべて備えた正確な車両を紹介する、パーソナライズされたデジタルパンフレットを受け取ります。

この高度にパーソナライズされたエクスペリエンスは、他に類を見ない製品を提供することに誇りを持っているブランドにぴったりです。これにより、ディーラーは、リアルタイム テクノロジーを使用して素材に触れたり感じたりする物理的な感覚を強化し、従来のコンフィギュレーション経験を豊かにすることができます。

ブループリントを活用してアーティストに力を与える

Stephan Baier 氏は、MHP の没入型体験の責任者です。ビジュアライゼーション関連のプロジェクトをリードしています。パガーニ社のデジタルショールームの開発では、ユーザーエクスペリエンスを最重要視していました。「ディーラーのコンフィギュレーターは、個人の Instagram アカウントと同じように使いやすいものでなければなりません」と彼は語ります。

MHP では、以前は別のリアルタイム ツールを使用してコンフィギュレーターを構築していました。しかし、Unreal Engine に移行したことで、はるかにユーザーフレンドリーなものを構築することが可能になりました。Baier 氏によると、この移行には考え方の変更も伴いました。「今、私たちが構築しているアプリケーションは、よりゲームに近いものになっています。目的は車の販売ですが、アプリケーションはゲームと同じように機能します」

チームは、ディーラーが4K品質で車を設定して表示できるリモートテンプレートを作成しました。「これは、他のソリューションと比較して、私たちのソリューションの核となる利点です。基本的には、Epic Games launcher からゲームをダウンロードするのと同じです」と、Baier 氏は述べています。
Image courtesy of Pagani
この類似性は偶然の一致ではありません。チームは、コンフィギュレータのインストールプロセスを可能な限りシンプルで簡単になるように意図的にモデル化しました。「ワンクリックでダウンロード、ワンクリックでインストール、ワンクリックで起動です」と Baier 氏は説明します。

Baier 氏にとって同様に重要なのは、プログラマーであろうとアーティストであろうと、チーム全体がコンフィギュレータの開発を支援できるようにすることでした。 「当初、Unreal に関する私たちの考えは、それは本当にテクニカル アーティスト フレンドリーということでした」と Baier 氏は述べています。 「当時、当社のチームには開発者があまりいませんでした。ブループリントを使用することで、テクニカル アーティストは、他のソリューションに比べて少ない労力で作業を行うことができました」

ブループリント ビジュアル スクリプティング システムは、アーティストやデザイナーのようなノンプログラマーがコードを一行も書かずにプログラミングの力を利用することを可能にします。ノードを接続することで、オブジェクト、関数、イベントを視覚的に構築することができます。

ハイエンドのディーラー コンフィギュレータは、そのビジュアルの忠実度に左右されることは言うまでもありません。顧客は、拡大してシート カバーのステッチを見たり、レザーの質感を感じたり、さまざまな種類のライティングの下で車両がどのように見えるかを知りたいと考えています。
「Unreal Engine は、最高レベルのビジュアルの忠実度を提供しており、これが私たちが Unreal Engine を選択した理由の 1 つでした」と、Baier 氏は説明しています。
Image courtesy of Pagani
Pagani はその結果に圧倒されました。ディーラーは、大画面に表示された小さな QR コードをスキャンするだけで、デジタル ショールーム アプリケーションに接続することができます。「Pagani は、顧客が工場を訪れても、地元のディーラーを訪れても、最高の体験を提供しています 」と Baier 氏は述べています。「新しいコンフィギュレータの開発には、スムーズなインストール、ユーザーフレンドリーなインターフェイス、システムの安定性、そして非常にリアルな視覚化が求められました」

MHP のチームは、これらのニーズを満たすために、これまでにないほどのテストを行いました。結果がそれを物語っています。「すべてがシームレスに接続されているので、すべてが簡単になったと言われています」と Baier 氏は言います。

設定可能なリアルタイム自動車販売コンテンツ

2017年にクリエイティブ コンテンツ スタジオの The Mill は、世界初のコンフィギュレーション可能な映画 The Human Race のプロトタイプを制作しました。完全に調整可能なカーリグ、バーチャルプロダクションツールキット、Unreal Engine を組み合わせたこの映画は、リアルタイムのビジュアル エフェクトと実写のストーリーテリングを融合させています。
Image courtesy of Chevrolet | The Mill | Epic Games
MHP は、Pagani のためにコンフィギュレーション可能な自動車映画を制作しています。MHP チームは、 イモラ サーキットで撮影を行い、Pagani のデジタル スポーツカーと実際の環境のライブ映像を統合します。

このプロジェクトは、Epic MegaGrantから資金提供を受けており、Pagani はこの映画をアトリエの新プロジェクトの立ち上げに使用します。ビジュアルを極限まで追求するために、レンダリングでは リアルタイムレイトレーシングを用いて、撮影された環境から実際のライティングを正確に再現します。このプロジェクトで使用されたイモラサーキット環境と Pagani のハイパーカーのアセットは、プロジェクトの完成後、Unreal マーケットプレイスからダウンロードできるようになります。

一見すると、この映画は普通のテレビ広告のように見えるかもしれませんが、大きな違いがひとつあります。MHP のフォトリアリスティックなコンフィギュレータと同様に、映画に登場する車は瞬時にカスタマイズすることができます。見ている間にモデルや色を入れ替えることができます。「完全にパーソナライズ可能です」と Baier 氏は説明します。「映画の進行に合わせて、それぞれの車を見せることができます。これは、従来のテレビ広告や従来のCGI制作では不可能です。なぜなら、レース場で何万もの異なる車のバリエーションを制作するために多大な労力を投資しなければならないからです」

MHPは、近い将来、これがすべてのマーケティングコンテンツを制作する方法になると考えています。「製品関連のコンテンツが事前に制作されているのを見ることはもうありません 」と Baier 氏は述べています。「将来的には、すべての製品関連コンテンツは、オンデマンドでパーソナライズされた方法で生成されるようになると信じています」

このビジョンを受け入れるのに、想像力を膨らませる必要はありません。事前にコンテンツを制作する必要がないというコスト削減だけでも、ブランドの耳をくすぐるには十分でしょう。さらに、このような広告は本質的に、視聴者が自分の好みに合わせてカスタマイズする、よりターゲットを絞った体験を提供します。「これは、Unreal Engine のようなリアルタイム技術があってこそ可能なことです」と、Baier 氏は述べています。
Image courtesy of Pagani

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