画像提供:Impossible Objects

Diablo Immortal の興奮を作り出すバーチャル プロダクション

2022年6月29日
デーモンが 2 体、炎の輪の中から姿を現す。ウィザードとバーバリアンが武器を手に取り、突撃する。戦いが始まった。斧を振り回す強烈な攻撃や魔法の火の玉が繰り出される。ヒーローのペアが優勢になってきたように見えたが、炎に包まれた恐怖の帝王が彼らの前に立ちはだかる。ここまでは、いかにも Diablo な光景です。しかしカメラがパン アウトすると、この壮大な戦いが小さな世界、携帯電話の画面の上で繰り広げられていることがわかるのです。
 

初めてモバイル版の Diablo が登場したことを伝える、巧妙で魅力的な手法の広告といえます。Battle at Home Screen のコンセプトを実現するため、バーチャル プロダクション スタジオの Impossible Objects は、最先端の映画制作技術を採用しました。それにはバーチャル環境、3D アセット、リアルタイム プリビジュアライゼーション、ハイブリッド ライブアクション撮影や複雑なアニメーション シーケンスの制作が含まれます。

興味深いことに、チームはずっと Unreal Engine を使い続けました。プレビズで初期レイヤーを作成し、画像をロックした後は最終ピクセルに移行しました。このリアルタイム アプローチにより、プロジェクトの期間を 6 か月から約 3 か月まで短縮することができたのです。

バーチャル プロダクション スタジオを設定する

Joe Sill 氏は何よりもまず、ディレクターであり作家です。彼は今まで、壮大で想像力豊かな物語を語ることや世界を作りあげることに情熱を持ち続けていましたが、現実の世界では作ることのできないイメージや瞬間をどのようにすれば設計できるのかということにも夢中になっています。

その思いから Impossible Objects というバーチャル プロダクションとリアルタイムな映画制作の新しいテクノロジーとツールをすべて利用し、世界の構築とストーリーテリングに特化したバーチャル プロダクション スタジオを設立しました。

2021 年初頭に設立された Impossible Objects は、当初から Unreal Engine を活用してきました。「Unreal を使用することにより、映画制作者にとって想像力に満ちた壮大な世界の構築は制限のあるプロセスではなくなったと私たち全員が理解した瞬間、従来の映画制作の方法を手放す時が来たことに気付きました」と Sill 氏は語ります。
 

Jerad Anderson 氏はもう 1 人の Impossible Objects の共同設立者です。彼はとても若い頃、インターネットがテキストベースだった頃からコンピューターをいじっていました。Anderson 氏は Impossible Objects のエグゼクティブ プロデューサーです。「Unreal Engine がビデオ ゲーム制作のツールだということは知っていました。しかしすぐに、映画制作向けのフォトリアルなシネマティック ツールとして、その進化を目にするようになりました」と Anderson 氏は語ります。「試してみることになり、まずは Joe がテストを行いました。彼が作成し始めたテストのいくつかは本当に素晴らしいものでした。その時、これが未来だと気付いたのです」
画像提供:Impossible Objects

バーチャル プロダクションとライブアクション撮影

Impossible Objects は広告代理店の Omelet や Google、Diablo のチームとともに、Battle at Home Screen 全体の制作を最初から最後まで担当しました。スタジオはできる限り Unreal Engine で作業をしようとしていました。「Unreal Engine を使用することにより、最初から最後まで誰もが予想していたよりも効率的に、より創造的に満足のできる方法で撮影を行うことができました」と Sill 氏は話します。

映像には Diablo Immortal の主要なヒーローと悪役のキャラクターが Google Pixel 内で召喚され、壮大な戦いをコーヒー テーブルの上で繰り広げる様子が映っています。
画像提供:Impossible Objects
また、チームは、ライブアクションのヒーローがリビング ルームに入ってきて、この異様な光景を目にしたときの視点も表示する必要がありました。「Home Screen は実際より大きく、そして同時に小さくする必要がありました」と Sill 氏は語ります。「意図的なアクション シーケンスを正確なカメラの動きと壮大な戦いの動きを使用して作り出す必要がありましたが、Unreal を使用することにより何度も反復することが可能になり、できる限り最高の創造的な決断を実現することができました」

これらすべてをパイプラインの観点からまとめる方法を定義するという仕事は、Luc Delamare 氏の担当になりました。Impossible Objects のテクノロジー責任者である彼は、すべてのプロダクションにおいて新しいパイプラインの実装を監督しています。「私は自分自身を『VP DP』であると考えています。エンジン内のビジュアライゼーション リーダーとしてだけでなく、LED ボリュームとハイブリッド ワークフローが必要ないくつかのプロダクションの DP としても、作業を進めています」と Delamare 氏は説明します。

Home Screen では、Delamare 氏とチームはハイブリッド バーチャル プロダクション、グリーン スクリーン上での俳優のライブアクションの撮影を、エンジン内の完全なビジュアライゼーションとアニメーションに組み合わせることにしました。
画像提供:Impossible Objects
Delamare 氏は、プロジェクトと環境を Unreal Engine に収めることで、すべての部門間でリアルタイムなパフォーマンスとビジュアル的な連続性の強力な組み合わせが実現し、さらにライブアクション カメラと CG カメラの両方のリアルタイム キャプチャなどの効率的な実装も可能になると説明します。

「私たちはノンリニアな方法で、複数のステージを通してプロジェクトのビジュアル言語の一貫性を保つことができました」と彼は話します。「これはつまり、初期のプレビズから最終ピクセルまで、非常にスムーズに移行することができたということです。また、すべてが同じ環境で構築されていたため、「プレビズに合わせる」ために苦労することがありませんでした」

「さらに、バーチャル アパートメント セットもハイブリッド ライブアクションの撮影用に簡単に「借りる」ことができるため (これも Unreal で管理されています)、Unreal Engine のノンリニアでリアルタイムな要素が、プロセス全体を通して創造的な要素の一貫性を保つためにどのように役立っているかがよくわかるようになります」
画像提供:Impossible Objects
当時は Unreal Engine 4.26 で作業していましたが、チームのアニメーション パイプラインは従来のワークフローと Unreal Engine のリアルタイム プレビズを効率的に組み合わせたものでした。アニメーションは Maya で行い、出来上がったすべての映像はすぐに Unreal Engine に取り込まれ、残りの部門が シーケンサー でクリエイティブ レビューを行いました。

「このようにして、ノンリニアな方法を採用しました」と Delamare 氏は語ります。「アニメーションに関するメモはライティング、カメラ、バーチャル アート部門と一緒に作成されたため、全体的なショットを部門間で『受け渡す』必要がなく、その代わりにより健全なビューを実現することができました。今は、プロセス全体がエンジン内で機能するように、 UE5 のコントロール リグ ツールも採用することが楽しみです」
画像提供:Impossible Objects
初日から、Impossible Objects のクリエイティブ チームは Omelet、Google、および Blizzard のチームと直接連携し、絵コンテ、概要、およびコンセプト アートのスタイル フレームなどを使用してストーリーを話し合いました。

彼らはすぐに ビジュアル アート部門 (VAD) およびプレビズ チームとともに Unreal Engine に移行し、数週間の共同作業でワールドの構築とプレビズ カットのピクチャー ロックを行いました。「プレビズに Unreal Engine を使用することにより、驚異的な早さと数量で忠実度の高い結果を出しました」と Sill 氏は話します。

「数日で、カメラの動きから大まかなアニメーション ブロック、ライティングの方向性、色、テクスチャまで、驚くほど大量の重要なクリエイティブ データを持つ全体的なプレビズ カットを、担当者とクライアントに提供しました」
画像提供:Impossible Objects
VAD では、アニメートされたアクション シーケンスの環境が人間のライブアクション撮影と完全に一致していることを確認しました。スポットのハイブリッド ライブアクションの要素により、クライアントにリアルタイムでバーチャル セットをプレビューすることができました。Video village にはセット上とリモート フィード経由の両方で、シーンのリアルタイム ライブ コンプのみがフィードされたため、誰もグリーン スクリーンを見ていませんでした。

それはつまり、俳優からスタッフ、クライアントまで、全員が単にそれを想像したり参照画像に頼ったりするのではなく、作業しているバーチャル環境を完全に理解できたことを表しています。「しかし、この設定の可能性が本領を発揮するのは、バーチャル セットを調整してその瞬間をどのようにキャプチャするかというクリエイティブな判断を即座に下すことができる点です」と Sill 氏は語ります。「そのような柔軟性を持ちながら、バーチャル環境の正確なイメージに基づいた選択を行えることも、非常に楽しいものでした」

また、プロジェクトでは MetaHuman の革新的な初期利用がありました。「ライブアクションのハイブリッド撮影の前に、早期アクセスの MetaHumann をプレビズで使用することにしました。これはライブアクションの担当者が実装するライティング デザインを正確に計画し、どのようにアプローチするかを決定するために非常に役立つ方法でした」と Sill 氏は話します。
画像提供:Impossible Objects
リアルタイム アプローチを採用したことにより、大量のプロジェクトの要素を Unreal Engine で同時に作業することができたため、プロジェクトのタイムラインにも大きな影響を与えました。「たとえば、アニメーションと組み合わせながら映像を制作したため、カメラとライティングについては、キャラクターの動きを決めながら進めました」と Delamare 氏は語ります。「完全な CG アニメーション パイプラインのさまざまな要素をこのノンリニアなプロセスに組み合わせると、時間が節約されていくのは当然のことです」
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次世代の映画制作ツール

Impossible Objects は、新しい物語を作っていくため、バーチャル プロダクションに特化した映画制作者のリストを築いています。彼らは、シネマティックなストーリーテリングの才能だけでなく、新しいツールセットに適応する技術的な考え方を持つ人材を選びました。

Sill 氏は、Epic Games のエコシステムが今後のスタジオの計画には必要不可欠だと信じています。「数え切れないほど忠実度の高い 3D アセットが並ぶライブラリの提供から、複雑にカスタイマイズ可能な MetaHuman や強力でアクセス可能なゲーム エンジンまで、Epic Games のおかげでアーティストやチームは素晴らしい世界を構築し、創造性の最先端を探究して今までの限界を超えるより大きな物語を作り出すことができました」と彼は語ります。

Impossible Objects のチームは、まさにその創造性を探究する精神を表し、ライブアクションと従来のポストプロダクションの両方の世界から急成長するバーチャル プロダクションの世界にやって来た映画制作者とアーティストたちの集団で構成されています。「ライブ アクションと CGI の両方に対して、Unreal Engine のリアルタイムの可能性はほぼ無限です。それは本当に説得力を持つもので、もう元に戻ることはできませんでした」と Sill 氏は話します。「このストーリーテリングの新しく革新的な方法を探究するしかなかったのです」

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